「グランドスラム達成」とはテニス選手の大きな夢であり歴史上でもトップの中でもトップの一握りの選手しか達成できていない偉業です。
今回はそんな偉業を達成した選手や、現在達成に近い選手などの情報をまとめていこうと思います。
(2023,8更新)
年間グランドスラム達成者
「年間グランドスラム達成」とは、1年間で4つのグランドスラムを全て優勝する達成するのが非常に困難なものです。単純に4つのグランドスラムを連続で優勝するだけでは条件達成にならず、同一シーズンで全豪、全仏、ウィンブルドン、全米を全て優勝しなければなりません。
例えば、全仏、ウィンブルドン、全米と優勝して、翌年の全豪を優勝しても年間グランドスラム達成にはならないと言う事です。
男子テニスの歴史上年間グランドススラムが達成されたのは3回で、2選手のみです。
1938年 | ドン・バッジ |
1962年 | ロッド・レーバー |
1969年 | ロッド・レーバー |
しかし年間グランドスラム達成は現在の方が達成するのがかなり困難になっていると言われているように、バッジ選手やレーバー選手が達成した時代と、今では状況がかなり異なります。
まず1968年を境にテニスはオープン化され、プロ選手もグランドスラムに出場する事ができるようになり、選手のレベルが上がります。
なのでオープン化以降で達成しているのはレーバー選手が1969年に達成した1回のみです。
さらに異なるのが大会のサーフェスです。1969年は全豪、ウィンブルドン、全米がグラス、全仏がクレー、といった今とはかなり異なるサーフェスでした。
このサーフェスならグラスが得意な選手が相当有利で、年間グランドスラム達成の難易度も下がります。
しかし現在は全豪、全米がハード、全仏がクレー、ウィンブルドンがグラスと3つのサーフェスで優勝する事が求められているので難易度はぐっと上がっています。
グランドスラムの大会が現在の状態になってからはまだ年間グランドスラムを達成できた選手は1人もいないという事ですね。
生涯グランドスラム達成者
「生涯グランドスラム達成」はキャリアの中で全てのグランドスラム大会を優勝する事を言います。
現在では年間グランドスラム達成が非常に困難なものになっているので、単にグランドスラム達成というだけなら、こちらを指す場合が多いと思います。
2018年時点で生涯グランドスラムは8人の選手が達成しています。
1935年 | フレッド・ペリー |
1938年 | ドン・バッジ |
1962年 | ロッド・レーバー |
1964年 | ロイ・エマーソン |
1999年 | アンドレ・アガシ |
2009年 | ロジャー・フェデラー |
2010年 | ラファエル・ナダル |
2016年 | ノバク・ジョコビッチ |
こちらも先ほどと同じようにオープン化が1968年、サーフェスが現在のものに変わったのが1988年、という事を踏まえて考えると今と同じ状況で生涯グランドスラムを達成できたのは1999年のアガシ選手以降の4選手のみです。
年間グランドスラムと比べたら達成難度は下がっていますが、それでも生涯グランドスラムを達成できる選手は一握りしかいないという事が分かりますね。
ただこうしてみると、生涯グランドスラム達成者であるフェデラー選手、ナダル選手、ジョコビッチ選手の3人が同時期に活躍していたとは驚きです。
現役のトップ選手で生涯グランドスラム達成に近い選手は誰か
では現役の男子テニス選手で生涯グランドスラム達成に近い選手は誰がいるのか。
最高ランクが5位以内の選手のグランドスラムでの最高成績をまとめてみます。
選手 | 全豪 | 全仏 | ウィンブルドン | 全米 |
スタン・ワウリンカ | 優勝 | 優勝 | ベスト8 | 優勝 |
アンディ・マレー | 準優勝 | 準優勝 | 優勝 | 優勝 |
カルロス・アルカラス | 3回戦 | ベスト4 | 優勝 | 優勝 |
マリン・チリッチ | 準優勝 | ベスト8 | 準優勝 | 優勝 |
ドミニク・ティエム | 準優勝 | 準優勝 | 4回戦 | 優勝 |
ダニル・メドベージェフ | 準優勝 | ベスト8 | ベスト4 | 優勝 |
ファン・マルティン・デルポトロ | ベスト8 | ベスト4 | ベスト4 | 優勝 |
ステファノス・チチパス | 準優勝 | 準優勝 | 4回戦 | 3回戦 |
キャスパー・ルード | 4回戦 | 準優勝 | 2回戦 | 準優勝 |
ケビン・アンダーソン | 4回戦 | 4回戦 | 準優勝 | 準優勝 |
アレクサンダー・ズベレフ | ベスト4 | ベスト4 | 4回戦 | 準優勝 |
ミロシュ・ラオニッチ | ベスト4 | ベスト8 | 準優勝 | 4回戦 |
錦織圭 | ベスト8 | ベスト8 | ベスト8 | 準優勝 |
グリゴール・ディミトロフ | ベスト4 | 4回戦 | ベスト4 | ベスト4 |
アンドレイ・ルブレフ | ベスト8 | ベスト8 | ベスト8 | ベスト8 |
ホルガ・ルーネ | 4回戦 | ベスト8 | ベスト8 | 3回戦 |
テイラー・フリッツ | 4回戦 | 3回戦 | ベスト8 | 3回戦 |
現在もっとも生涯グランドスラム達成に近いのはワウリンカ選手です。
グランドスラムの優勝回数は3回ですが全て違う大会での優勝なので、残すはウィンブルドンのみになっています。
ついで近いのはビッグ4で唯一生涯グランドスラムを達成していないマレー選手と、2021年頃からとてつもない勢いで台頭してきたアルカラス選手。
マレー選手は優勝回数で言えばワウリンカ選手と同様に3回ですが、ウィンブルドンで2度の優勝があるのでまだリーチになっていません。
そして今後最も注目なのが若手のアルカラス選手で、20歳の時点で2つのグランドスラムタイトルを獲得しており、ビッグ4のメンバーも徐々に引退が増えてきて、アルカラス選手の1強時代になってしまうとグランドスラム達成もすぐかもしれません。
日本のエース、錦織選手は最高成績が全米オープンでの準優勝。
そして2018年のウィンブルドンでベスト8進出を果たしたことで、全てのグランドスラムでベスト8以上に進出した選手の仲間入りをしました。
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