テニスコートのサーフェスの一つである「クレーコート」。
クレーとはその名の通り土を意味し、テニスのツアー大会のクレーコートは基本的に赤土です。
クレーコートで最強選手といえばスペインのラファエル・ナダル選手ですが、今回はそのナダル選手を含めクレーコートで強さを発揮する選手の勝率や主な成績などを紹介し、今後クレーで活躍が期待される若手選手も紹介していきます。
クレーコートの大会は年にどれくらい開催されているのか
男子のテニスツアーで開催されている大会で、ハードの次に多いのがクレーの大会になります。
以下が主なクレーの大会一覧。
- 全仏オープン(グランドスラム)
- ロレックス モンテカルロ マスターズ(マスターズ・モンテカルロ)
- ムチュア マドリード オープン(マスターズ・マドリード)
- BNLイタリア国際(マスターズ・ローマ)
- リオオープン(ATP500・リオ)
- バルセロナオープン(ATP500・バルセロナ)
- ハンブルクオープン(ATP500・ハンブルク)
- ATP250は大会の入れ替わりが多いですが、だいたい年間15大会前後
これらを合計すると、クレーの大会はだいたい年に20大会ほどの開催数になります。
クレーコートで強い選手
この記事ではクレーコートでより強さを発揮する選手を紹介しています。
(ジョコビッチ選手やフェデラー選手はクレーでの成績も素晴らしいですが、クレーよりもハードやグラスの方が成績が良いのでこの記事では紹介していません。)
ラファエル・ナダル(Rafael Nadal)
- クレーでの勝敗と勝率:415勝36敗(勝率92%)
- クレーの大会でのタイトル獲得数:57
- 全仏オープンでの最高成績:優勝(11回)
クレーで最強の選手といえば間違いなくラファエル・ナダル選手です。
クレーでの勝率は92%、この勝率は尋常ではありません。これほどの勝率を叩き出せるのは、もしかしたら後にも先にもナダル選手だけかもしれません。。
さらにクレーの大会で獲得したタイトルは57。
単純にキャリア通算のタイトル数が57というだけでも最強レベルの数字ですが、ナダル選手はクレーの優勝のみでこれだけのタイトルを獲得しています。
しかもそのタイトルの中身も57のうち11個が全仏オープン、25個がマスターズ。つまり半分以上ビッグタイトルで占めている事になります。
250や500でタイトルを量産するのではなく、大きな大会でこれだけ優勝している事から見ても、ナダル選手がどれほどクレーで強いのかよく分かります。
ドミニク・ティエム(Dominic Thiem)
- クレーでの勝敗と勝率:115勝40敗(勝率74%)
- クレーの大会でのタイトル獲得数:8
- 全仏オープンでの最高成績:準優勝
次のクレーキング候補筆頭はオーストリアのドミニク・ティエム選手。
若いうちからトップ10入りを果たし、中堅クラスとなってきた今でも地位をキープしています。
特にクレーでの活躍は素晴らしく、全仏オープンでは2018年に準優勝、16年と17年にもベスト4入りを果たしています。17年、18年についてはナダル選手に敗退。
さらにマドリード(マスターズ)でも2度の準優勝を経験し、その内の1回はナダル選手に敗れています。
ナダル選手がいる以上、クレーのビッグタイトルを獲得するのは非常に難しくなっているのが現状です。
スタン・ワウリンカ(Stan Wawrinka)
- クレーでの勝敗と勝率:174勝86敗(勝率66%)
- クレーの大会でのタイトル獲得数:7
- 全仏オープンでの最高成績:優勝
2015年の全仏オープンで優勝を果たしているスイスのスタン・ワウリンカ選手。
ナダル選手以外で全仏オープンを優勝している数少ない選手の1人。
また、モンテカルロ(マスターズ)でもタイトルを獲得し、クレーでは2つのビッグタイトルを持っています。
しかしこの2大会ともナダル選手とは対戦していません。やはりナダル選手を倒してクレーのビッグタイトルを獲得するのは並大抵の事ではなさそうです。
アレクサンダー・ズベレフ(Alexander Zverev)
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- クレーでの勝敗と勝率:58勝24敗(勝率70%)
- クレーの大会でのタイトル獲得数:4
- 全仏オープンでの最高成績:ベスト8
クレーのマスターズタイトルを獲得しているドイツのアレクサンダー・ズベレフ選手。
ズベレフ選手の場合は全てのサーフェスで結果を残していますが、クレーの勝率が最も高いので今回紹介する事にしました。
中でも注目すべき点はクレーのマスターズで2つのタイトルを獲得している事です。どちらもナダル選手との対戦ではありませんが、マスターズタイトルを獲得しているという点ではティエム選手よりも結果を残しています。
ただ全仏オープンではベスト8進出が最高成績となっており、あまり良い結果を残せていません。
錦織圭(Kei Nishikori)
- クレーでの勝敗と勝率:84勝34敗(勝率71%)
- クレーの大会でのタイトル獲得数:2
- 全仏オープンでの最高成績:ベスト8(2回)
クレーのマスターズで2度の準優勝を経験している日本の錦織圭選手。
大きな大会での成績を見れば全米やマイアミの活躍があるのでハードでの成績が最も良いですが、単純に勝率だけ見ると意外にもクレーが最も高く、7割を越えています。
目立った成績は無いにしても、クレーでは安定して結果を残せている証明になりますね。
マルコ・チェッキナート(Marco Cecchinato)
- クレーでの勝敗と勝率:25勝30敗(勝率45%)
- クレーの大会でのタイトル獲得数:3
- 全仏オープンでの最高成績:ベスト4
2018年の全仏オープンでベスト4進出を果たし一気に有名になったイタリアのマルコ・チェッキナート選手。
この全仏はノーシードからの出場でしたが、ジョコビッチ選手を含む3人のシード選手に勝利しベスト4へ。
さらにクレーのATP250でも3つのタイトルを獲得しており、今クレーで非常に勢いのある選手です。
今後クレーコートで活躍しそうな若手選手
ここからは実績がそこまで無いので僕の主観的な意見になりますが、今後クレーで活躍が期待される若手選手を何人か紹介していきます。
フェリックス・オジェ・アリアシム(Felix Auger Aliassime)
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- クレーでの勝敗と勝率:9勝7敗(勝率56%)
- クレーの大会でのタイトル獲得数:0
- 全仏オープンでの最高成績:予選2回戦
今の男子テニスで最も注目されていると言っても過言ではない、カナダのネクストジェンであるフェリックス・オジェ・アリアシム選手。
アリアシム選手に関してはどのサーフェスでも活躍でき、非常にポテンシャルの高い選手である事は間違いないですが最も早く頭角を表したのがクレーの大会だったので紹介します。
2017年にプロ入りしたばかりですが、プロ入りしたその年にクレーのチャレンジャーで優勝。
その後少しずつランキングをあげ、大きく話題になったのが2019年2月のリオ(500)での準優勝。ワイルドカートでの出場ながら1回戦では第2シードのフォニーニ選手を破り、ツアー初の決勝まで駆け上がりました。
ラスロ・ジェレ(Laslo Djere)
- クレーでの勝敗と勝率:23勝14敗(勝率62%)
- クレーの大会でのタイトル獲得数:1
- 全仏オープンでの最高成績:1回戦
セルビアの若手であるラスロ・ジェレ選手。
初めてトップ100入りを果たしたのは2017年と最近ですが、2019年2月のリオ(500)でツアー初タイトルを獲得し一気にトップ30目前まで急浮上。
クレーのATP250でも4大会でベスト4に進出するなどクレーでは非常に良い結果を残しています。
ハウメ・ムナル(Jaume Munar)
- クレーでの勝敗と勝率:14勝12敗(勝率53%)
- クレーの大会でのタイトル獲得数:0
- 全仏オープンでの最高成績:2回戦
スペインの若手で、ナダル選手が設立したマヨルカ島の「ラファ ナダル アカデミー」に所属しているハウメ・ムナル選手。
2018年に予選から出場した全仏オープンで予選を突破し、1回戦ではスペインの大先輩で元世界3位のフェレール選手をフルセットの末に撃破。さらに7月にATP250で初のベスト4進出。
2019年もすでにクレーのATP250で4度のベスト8進出。スペイン期待の若手となっています。
ではクレーコートで強い選手や今後クレーで活躍しそうな若手選手については以上です。
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