今回はビッグ4の一角で対戦成績でも他の3人に勝ち越しているノバク・ジョコビッチ選手(Novak Djokovic)について、プレースタイルやランキング、トップ選手やビッグ4との対戦成績などの情報を書いていこうと思います!
(2020,2,24更新)
プロフィール
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On to quarters 👐😃🙌💪 @rolexmontecarlomasters
年齢 | 32歳 |
国 | セルビア |
身長 | 188cm |
体重 | 77kg |
利き手 | 右 |
バックハンド | 両手 |
プロ転向 | 2003年(16歳) |
好きなサーフェス | ハード |
好きなショット | バック、リターン |
ATP公式サイト | 選手ページ |
コーチ | マリアン・バイダ ゴラン・イバニセビッチ |
ツアーでの成績
シングルスタイトル
キャリアタイトルは通算で78勝。
初タイトルを獲得したのは2006年に19歳で優勝したアメルスフォールト(250・クレー)。当時ランキング36位で第3シードでの出場でしたが、準決勝で第1シードのコリア選手、決勝で第4シードのマスー選手に勝利して優勝。
グランドスラムでは2008年に20歳で優勝した全豪オープンがグランドスラムで最初のタイトル。第3シードでの出場でしたが準決勝で第1シードのフェデラー選手、決勝ではノーシードから上がっていたツォンガ選手に勝利。
グレード別 | |
グランドスラム | 17 |
ツアーファイナル | 5 |
オリンピック | 0 |
マスターズ(ATP1000) | 34 |
ATP500 | 13 |
ATP250 | 9 |
サーフェス別 | |
ハード | 58 |
グラス | 6 |
クレー | 14 |
グランドスラムの成績
全豪オープン | 優勝(8回) |
全仏オープン | 優勝 |
ウィンブルドン | 優勝(5回) |
全米オープン | 優勝(3回) |
2016年の全仏優勝で生涯グランドスラムを達成。
グランドスラムの中でも最も優勝回数が多いのは全豪オープンでこれまでに6回の優勝があり、ウィンブルドンでも5回の優勝となっています。
獲得賞金
キャリア通算の獲得賞金は$143,059,955(約153億円)
1シーズン平均にすると約8億5000万円になります。
勝敗
キャリア通算のツアーレベル(ATP250以上)での勝敗は906勝137敗(勝率82%)
【サーフェス別】
- クレー|214勝55敗(勝率79%)
- グラス|95勝18敗(勝率84%)
- ハード|587勝110敗(勝率84%)
キャリア通算の勝率は6割を超えればかなり凄いですが、ジョコビッチ選手はキャリア通算の勝敗が8割を超えています。
特にハードコートでの勝率が84%と非常に高く、テニスの大会はハードコートが最も多いですからより凄いです。
一番低いクレーでもほぼ8割の勝率になっているので、どのサーフェスでも世界トップレベルだということになりますね。
スタッツ
(比較用に錦織選手・フェデラー選手のスタッツも表示しています。)
ジョコビッチ | 錦織圭 | フェデラー | |
エースの数 | 5704本 (1試合平均:5.4本) |
1851本 (1試合平均:3.2本) |
10865本 (1試合平均:7.5本) |
ファーストサーブ ポイント獲得率 |
74% | 71% | 77% |
セカンドサーブ ポイント獲得率 |
56% | 53% | 57% |
サービスゲーム 取得率 |
86% | 80% | 89% |
ファーストサーブ リターンポイント獲得率 |
34% | 30% | 33% |
セカンドサーブ リターンポイント獲得率 |
55% | 53% | 51% |
リターンゲーム 取得率 |
32% | 27% | 27% |
ジョコビッチ選手はサーブに関するスタッツも驚異的な数字であることに違いはありませんが、それ以上にリターンのスタッツが尋常ではないです。
相手がセカンドサーブの時のポイント獲得率も55%と非常に高いですが、リターンゲーム取得率32%というのは群を抜いて高いです。
単純に考えて3回に1回は相手のサービスゲームをブレークしていることになりますからね。。。
キャリアハイやランキングの推移
キャリアハイランキングの推移 | |
トップ100 | 2005年(18歳) |
トップ50 | 2006年(19歳) |
トップ20 | 2006年(19歳) |
トップ10 | 2007年(20歳) |
トップ5 | 2007年(20歳) |
ランキング1位 | 2011年(24歳) |
キャリアハイ|1位 | 2018年(31歳) |
年末ランキングの推移 | |
2003 | 679 |
2004 | 186 |
2005 | 78 |
2006 | 16 |
2007 | 3 |
2008 | 3 |
2009 | 3 |
2010 | 3 |
2011 | 1 |
2012 | 1 |
2013 | 2 |
2014 | 1 |
2015 | 1 |
2016 | 2 |
2017 | 12 |
2018 | 1 |
2019 | 2 |
プレースタイル
ジョコビッチ選手のプレースタイルはバランス型ベースライナーで、武器は攻守を備えた世界トップクラスのストロークです。
フォアもバックもコントロールが非常に高く、攻める時は相手のコートの深いところにボールを打ちじわじわ相手を追い込んでいったり、急なアングルでエースを取ったりもします。またダウンザラインへの展開も素晴らしく、コントロールが良いので大抵エースになります。
守備をするときも柔軟な体を生かして結構無理な体勢からでもカウンターショットに近いようなショットを頻繁に打ちます。これほど球際に強い選手は滅多にいないです。
他のショットに関しても超一流で、サーブはコントロール重視で上手い組み立てと、かなりキックのかかったセカンドサーブで安定してキープをすることができます。
ドロップショットもジョコビッチ選手が得意とするショットの一つで、ベースラインの後ろからでもドロップショットを決めてきます。普通は距離感の難しいドロップはもう少し前で打つものですが、さすがジョコビッチ選手ですね。
フォアハンド | 9 |
バックハンド | 10 |
サーブ | 9 |
リターン | 10 |
ボレー | 9 |
テクニック | 9 |
メンタル | 8 |
フットワーク | 10 |
攻撃力 | 9 |
守備力 | 10 |
総合力 | 93 |
各シーズンの主な結果と獲得賞金
2005年
獲得賞金|約20万ドル
- ランキング100位前後ながらウィンブルドンと全米で3回戦に進出。全米ではトップ50の選手2人に勝利。
2006年
獲得賞金|約61万ドル
タイトル|2
- ATPツアーのアメルスフォールトでツアー初タイトルを獲得。さらにメッツでも優勝。
- 全仏でグランドスラム初のベスト8。2回戦で9位のゴンザレス選手に勝利。
2007年
獲得賞金|約330万ドル
タイトル|5(マスターズ2)
- マスターズ・マイアミでマスターズ初タイトルを獲得。さらにカナダでも優勝。マイアミでは2位のナダル選手に勝利。カナダでは3位のロディック選手、2位のナダル選手、1位のフェデラー選手を立て続けに倒し優勝。
- 全米でグランドスラム初の準優勝。全仏とウィンブルドンでもベスト4。
- ATP250のアデレイド、エストリル、ウィーンで優勝。
- ツアーファイナルにも初出場するが、予選全敗で終了。
2008年
獲得賞金|約510万ドル
タイトル|4(グランドスラム1、マスターズ2)
- 全豪オープンでグランドスラム初タイトルを獲得。QFで5位のフェレール選手、SFで1位のフェデラー選手に勝利。決勝は38位のツォンガ選手に勝利。
- マスターズのインディアンウェルズとローマで優勝。
- 全仏と全米でもベスト4。
- 北京オリンピックで銅メダルを獲得。
- 2年連続でツアーファイナルにも出場し、2勝1敗で予選を勝ち抜き、SFも9位のシモン選手に勝利しFでは5位のダビデンコ選手に勝利して、ツアーファイナル初優勝。
2009年
獲得賞金|約480万ドル
タイトル|5(マスターズ1)
- マスターズ・パリで優勝。モンテカルロ、ローマ、シンシナティでも決勝に進出するが、ナダル選手、フェデラー選手に敗れる。
- 全米でベスト4。準決勝でフェデラー選手に敗れる。
- ATP500は北京、バーゼル、ドバイで優勝。ATP250はベルグレードで優勝。
- ツアーファイナルは3年連続出場で、予選2勝をあげるも突破できず。
2010年
獲得賞金|約370万ドル
タイトル|2
- 全米で準優勝。SFで2位のフェデラー選手をフルセットで破るも、決勝でナダル選手に敗北。
- ATP500のドバイ、北京で優勝。
- 4年連続ツアーファイナルに出場し、予選突破するがSFでフェデラー選手に敗北。
- このシーズン一時2位にランキングが上がったが、再び3位に後退。
2011年
獲得賞金|約1000万ドル
タイトル|10(グランドスラム3、マスターズ5)
- 全豪、ウィンブルドン、全米の3つのグランドスラムタイトルを獲得。
- マスターズでは、インディアンウェルズ、マイアミ、マドリード、ローマ、カナダの5大会でタイトルを獲得。
- ドバイ(ATP500)とベルグレード(ATP250)で優勝。
- グランドスラムは4分の3、マスターズでは9分の5とビッグタイトルを独占。
- さらにこのシーズンは開始から5月の全仏でフェデラー選手に負けるまで7大会負けなしの連続優勝。
- このシーズンの7敗はほぼトップ10選手からの敗北で、トップ10以外で負けた選手は、17位のデルポトロ選手と、32位の錦織選手のみ。
- 5年連続ツアーファイナルに出場。この年は予選敗退。
- シーズン終了時で初のランキング1位
2012年
獲得賞金|約1000万ドル
タイトル|6(グランドスラム1、マスターズ3)
- グランドスラムでは全豪オープンで2連覇。全仏、全米でも準優勝。
- マスターズはマイアミ、カナダ、上海で優勝。
- ツアーファイナルも予選から全勝で優勝。
- 北京(ATP500)で優勝。
- このシーズン12敗のうち、8敗が同じビッグ4からの敗北。
2013年
獲得賞金|約1100万ドル
タイトル|7(グランドスラム1、マスターズ3)
- グランドスラムでは全豪オープンで3連覇。ウィンブルドン、全米で準優勝。全仏でベスト4。全てのグランドスラムでベスト4以上の成績を残した。
- マスターズはモンテカルロ、パリ、上海で優勝。
- ツアーファイナルも2連覇で、予選から全勝で優勝。
- ATP500のドバイ、北京で優勝。
2014年
獲得賞金|約1100万ドル
タイトル|7(グランドスラム1、マスターズ4)
- グランドスラムではウィンブルドンで優勝。全仏で準優勝。全米でベスト4。
- マスターズはインディアンウェルズ、マイアミ、ローマ、パリで優勝。
- ツアーファイナルは3連覇達成。さらに3年連続で予選から全勝優勝。
- ATP500の北京で優勝。
2015年
獲得賞金|約1800万ドル
タイトル|11(グランドスラム3、マスターズ6)
- グランドスラムでは全豪、ウィンブルドン、全米で優勝。全仏で準優勝。このシーズン年間グランドスラム達成目前だった。
- マスターズはインディアンウェルズ、マイアミ、モンテカルロ、ローマ、上海、パリの6大会で優勝。カナダ、シンシナティで準優勝。
- ツアーファイナルは4連覇達成。
- ATP500の北京で優勝。
- このシーズンはジョコビッチ選手にとってキャリア最高のシーズンになった。
- シーズン最初のドーハ(ATP500)を除いて全ての大会で決勝に進出。
- このジョコビッチ選手最強のシーズンに黒星をつけた選手は、フェデラー選手、ワウリンカ選手、マレー選手、カルロビッチ選手の4選手のみ。フェデラー選手から3敗。
2016年
獲得賞金|約1200万ドル
タイトル|7(グランドスラム2、マスターズ4)
- グランドスラムでは全豪、全仏で優勝。ついに生涯グランドスラム達成。全米で準優勝。
- マスターズはインディアンウェルズ、マイアミ、マドリード、カナダの4大会で優勝。ローマで準優勝。
- ATP500のドバイで優勝。
- ツアーファイナルは決勝まで勝ち上がるもマレー選手に敗れて連覇がストップ。
2017年
獲得賞金|約200万ドル
タイトル|2
- ATP500のドバイ、ATP250のイーストボーンで優勝。
- マスターズのローマで準優勝。
- 右ひじの怪我によりウィンブルドンを最後にこのシーズンを終了。
2018年
獲得賞金|約1200万ドル(約13億円)
タイトル|4(GS:2、MS:2)
- グランドスラムではウィンブルドンと全米オープンで優勝。
- マスターズではシンシナティと上海で優勝。
- シーズン後半に驚異的な活躍をみせてランキング1位を奪還。
2019年
獲得賞金|約1100万ドル(約12億円)
タイトル|5(GS:2、MS:2)
- グランドスラム|ウィンブルドン、全豪(優勝) 全仏(ベスト4) 全米(ベスト16)
- マスターズ|パリ、マドリード(優勝) ローマ(準優勝) シンシナティ(ベスト4)
- ATP500|東京(優勝)
主な経歴
プロ転向直後から異例の速さでトップ選手へと駆け上がる
ジョコビッチ選手はプロになった直後くらいで18歳の時にすでに全仏オープンのベスト8を経験しているんです。この時のランキングは大体60位くらいでこの若さですでに頭角を現していました。
普通の選手だったらまずはグランドスラムの予選に挑戦し本戦に出場するということを目標にするのですが、ジョコビッチ選手はこの時からすでにグランドスラムで優勝するということを明確なビジョンとして持っていたんでしょうか。それほど驚異的な成長スピードでした。
さらに同年には早くもATPツアータイトルを獲得。異常な速さでランキングを駆け上がっていきました。そして20歳ではマスターズ初タイトル、21歳でグランドスラムで初タイトル獲得です。やはり別格の強さですよね。
しかし世界ランク1位への道のりは険しい
世界3位までは一気に駆け上がったジョコビッチ選手でしたがやはり世界1位になるのは簡単な道のりではありませんでした。
世界ランクを3位や2位で前後しながら5年近くかかりました。やはりこの時トップに君臨していたフェデラー選手とナダル選手と言う男子テニス界のトップ2の牙城を崩すのは並大抵の事では無かったんだと思います。男子テニス界の一時代を作り上げた二人ですからね。
しかしジョコビッチ選手は2011年についにそのトップ2を破り、初の世界ランク1位の座につくことになります。このシーズンは本当に驚きの連続で、まさにジョコビッチ選手の無双状態のシーズンでした。
2017年にプロ転向後初とも言える大きな怪我により、大きくランキングを落としましたが、再びトップで活躍するジョコビッチ選手が見れる日が楽しみですね。
トップ選手や日本人選手との対戦成績
日本人選手との対戦成績
錦織選手以外の日本人選手では4選手と対戦があり、ダニエル太郎選手に唯一の負けがあります。
ビッグ4との対戦成績
ビッグ4との対戦成績 | 81勝60敗 | 57% |
ロジャー・フェデラー | 27勝23敗 | 54% |
ラファエル・ナダル | 29勝26敗 | 53% |
アンディ・マレー | 25勝11敗 | 69% |
自分以外のビッグ4全員に勝ち越しており、特にマレー選手に対しては大きく勝ち越しています。
ただ対フェデラー選手、対ナダル選手に関しては非常に拮抗した対戦成績になっており、ほぼ互角といった感じです。
トップ選手との対戦成績
S・ワウリンカ | 19勝6敗 | 76% |
J・M・デルポトロ | 15勝4敗 | 79% |
M・チリッチ | 17勝2敗 | 89% |
G・ディミトロフ | 9勝1敗 | 90% |
D・フェレール(引退) | 16勝5敗 | 76% |
A・ズベレフ | 3勝2敗 | 60% |
M・ラオニッチ | 10勝0敗 | 100% |
錦織圭 | 15勝2敗 | 88% |
T・ベルディヒ(引退) | 25勝3敗 | 89% |
D・ティエム | 7勝4敗 | 64% |
J・W・ツォンガ | 17勝6敗 | 74% |
K・アンダーソン | 9勝3敗 | 75% |
ステファノス・チチパス | 2勝2敗 | 50% |
ダニル・メドベージェフ |
2勝2敗 | 50% |
対戦回数がまだそれほど多くない若手のズベレフ選手、チチパス選手、メドベージェフ選手についてはまだ対戦成績が拮抗しています。
ですがベテランと言える殆どのトップ選手に大きく勝ち越しており8割前後の勝率になっています。
今のところ一番多く黒星をつけられた相手はツォンガ選手とワウリンカ選手ですが、ティエム選手からは4敗、さっき挙げた3人の若手選手からもすでに2敗しているため、今後この4選手との戦績については要注目です。
ではジョコビッチ選手のプレースタイルやランキング、ツアーでの成績については以上です。ここまで読んでくださってありがとうございました!
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