今回は現役唯一のゴールデンスラム達成者でクレーでは史上最強の強さを誇るとも言われる、スペインのラファエル・ナダル(Rafael Nadal)選手について、プレースタイルやランキング、ツアーでの成績をまとめていきます。
(2021,4,21更新)
プロフィール
年齢 | 34歳 |
国 | スペイン |
身長 | 185cm |
体重 | 85kg |
利き手 | 左 |
バックハンド | 両手 |
プロ転向 | 2001年(15歳) |
好きなコート | クレー |
好きなショット | フォア |
コーチ | カルロス・モヤ フランシスコ・ロイグ |
ATP公式サイト | 選手ページ |
ツアーでの成績
キャリアタイトル
シングルスのツアータイトルは86勝。
初タイトルは18歳で優勝したソポト(クレー)。
初のマスターズ優勝は2005年に19歳で優勝したモンテカルロ(クレー)
初のグランドスラム優勝は2005年に19歳で優勝した全仏オープン(クレー)
グレード別 | |
グランドスラム | 20 |
オリンピック | 1 |
マスターズ | 35 |
ATP500 | 20 |
ATP250 | 10 |
サーフェス別 | |
クレー | 60 |
ハード | 22 |
グラス | 4 |
グランドスラムの最高成績
全豪オープン | 優勝 |
全仏オープン | 優勝(12回) |
ウィンブルドン | 優勝(2回) |
全米オープン | 優勝(4回) |
- 2010年の全米オープン優勝により生涯グランドスラム達成。
- 最も優勝回数が多いのは全仏オープンで13回の優勝。
- グランドスラムで初めて優勝したのは2005年の全仏オープンで当時19歳。
マスターズの最高成績
インディアンウェルズ | 優勝(3回) |
マイアミ | 準優勝(5回) |
モンテカルロ | 優勝(11回) |
マドリード | 優勝(5回) |
ローマ | 優勝(9回) |
カナダ | 優勝(5回) |
シンシナティ | 優勝 |
上海 | 準優勝(2回) |
パリ | 準優勝 |
ハンブルク (2008年まで開催) |
優勝 |
- マスターズでは現在開催中の9大会のうち6大会で優勝。
- 最も優勝回数が多いのはモンテカルロで11回の優勝。
- マスターズ初タイトルとなったのは2005年のモンテカルロで当時18歳での優勝でした。
ランキングの推移
キャリアハイランキングの推移 | |
トップ100 | 2003年(17歳) |
トップ50 | 2003年(17歳) |
トップ30 | 2005年(19歳) |
トップ20 | 2005年(19歳) |
トップ10 | 2005年(19歳) |
トップ5 | 2005年(19歳) |
ランキング1位 | 2008年(22歳) |
キャリアハイ|1位 | 2018年(32歳) |
年末ランキングの推移 | |
2001 | 811 |
2002 | 200 |
2003 | 49 |
2004 | 51 |
2005 | 2 |
2006 | 2 |
2007 | 2 |
2008 | 1 |
2009 | 2 |
2010 | 1 |
2011 | 2 |
2012 | 4 |
2013 | 1 |
2014 | 3 |
2015 | 5 |
2016 | 9 |
2017 | 1 |
2018 | 2 |
2019 | 1 |
プレースタイルや強さ
フォアハンドに関しては言うまでもなく最強のトップスピンです。
スピン量がとんでも無いので、テレビから見た感じではその威力は伝わりにくいですが、かなり跳ねていてボールが重いです。
この威力のボールを数回打つだけなら多くのトップ選手ができるかもしれませんが、ナダル選手の場合このとんでもないボールを連続して、しかも早いタイミングで打つことができます。
なので相手をじわじわと追い込んで確実にポイントを取ることができるんですね。
さらにもう一つの大きな武器がカウンターショットです。
フットワークも超一流のナダル選手の守備範囲は広く、さらに相手が決めにきたショットに対しても、一発逆転のカウンターショットを打って形成を逆転する事もできます。
主な経歴
2002年
タイトル数|0
獲得賞金|約2万ドル
ランキング700位台で始まったこのシーズンでしたが、フューチャーズで6つの優勝を果たし、さらにツアー公式戦でも初勝利をあげました。そして年末には200位台までランキングが上昇。
2003年
タイトル数|0
獲得賞金|約22万ドル
シーズン前半でトップ100入りを果たしたナダル選手でしたが、そんな中早々とグランドスラム初の3回戦に進出。さらにウマグのATP250ではツアー初のベスト4に進出。
ランキングも一気に上昇し、このシーズンでトップ50入りまで果たす。
2004年
タイトル数|1
獲得賞金|約34万ドル
ポーランド・ソポトのATP250でツアー初タイトルを獲得。しかし左手首の怪我で約3ヶ月間のツアー離脱。
復帰後はすぐに調子を戻しランキングも元の位置に戻す。
2005年
タイトル数|11(グランドスラム1、マスターズ4)
獲得賞金|約380万ドル
ランキング50位で始まったこのシーズンでしたが、ナダル選手はこのシーズンで急激な成長を見せます。
2月にクレーの大会で2週連続優勝、その後マスターズで初の決勝に進出し、決勝では当時1位のフェデラー選手とフルセットの大激闘。
その後モンテカルロマスターズでマスターズ初タイトルを獲得すると、ローママスターズでも優勝し、さらに全仏オープンでも優勝しこれがグランドスラム初優勝。
ナダル選手の勢いはまだまだ止まらず、7月から8月にかけてカナダマスターズも含めて出場した大会で3大会連続優勝。
シーズン最後のマスターズでも優勝を果たし、気づいてみれば50位で始まったランキングも2位まで上昇。驚異的な活躍を果たしたシーズンとなりました。
2006年
タイトル数|5(グランドスラム1、マスターズ2)
獲得賞金|約370万ドル
モンテカルロ、ローマのマスターズで2連覇を達成。グランドスラムでは全仏でも2連覇を達成し、ウィンブルドンで決勝まで進出。決勝ではフェデラー選手に敗れる。
ランキングは2位で維持し、ツアーファイナルにも初めて出場。
2007年
タイトル数|6(グランドスラム1、マスターズ3)
獲得賞金|約480万ドル
シーズン最初のマスターズであるインディアンウェルズで初優勝。さらに昨年に続きモンテカルロ、ローマ、全仏オープンとクレーのビッグタイトルを全て取り、それぞれ3連覇を達成。
ランキングも2位でキープ。しかしなかなかフェデラー選手に追いつけない。
2008年
タイトル数|8(グランドスラム2、マスターズ3)
獲得賞金|約660万ドル
モンテカルロ、全仏オープンでそれぞれ4連覇を達成。クレーでは絶対的な強さを誇る王者に。
さらにウィンブルドンでは再び決勝でフェデラー選手と戦い、歴史に残る大激闘の末フルセットで勝利。
さらにこの後行われた北京オリンピックでも優勝し、ついに世界ランキング1位を達成。
2009年
タイトル数|5(グランドスラム1、マスターズ3)
獲得賞金|約540万ドル
全豪オープンで初めての優勝、そしてクレーではモンテカルロで5連覇を達成。
しかし膝の怪我の影響もあり一時は3位までランキングを落としてしまう。年末には2位までランキングを戻す。
2010年
タイトル数|7(グランドスラム3、マスターズ3)
獲得賞金|約840万ドル
モンテカルロで6連覇、さらにローマ、マドリードとクレーのマスターズ3大会全てで優勝。全仏オープンも優勝し、クレーのビッグタイトルを独占。
そしてこのシーズンはウィンブルドン、全米では初優勝を果たし、1シーズンで3つのグランドスラムタイトルを獲得すると言う驚異的な成績を残した。もちろんランキングは1位へ。
2011年
タイトル数|3(グランドスラム1、マスターズ1)
獲得賞金|約660万ドル
モンテカルロで7連覇達成。さらに全仏でも2連覇、通算で6回目の優勝を果たす。
その他ATP500のバルセロナでもタイトルを獲得し、クレーでの強さは健在。
しかしシーズン後半で早期敗退が何度かあり、ジョコビッチ選手に1位の座を奪われてしまう。
2012年
タイトル数|4(グランドスラム1、マスターズ2)
獲得賞金|約480万ドル
モンテカルロで8連覇達成。全仏は3連覇、通算で7回目の優勝。
ローマのマスターズも優勝し、相変わらずクレーシーズンの活躍は凄まじい。
しかし左膝の怪我によりウィンブルドンで2回戦敗退を最後にこのシーズンを終了することを発表。
2013年
タイトル数|10(グランドスラム2、マスターズ5)
獲得賞金|約1200万ドル
8年間無敗だったモンテカルロでしたが決勝でジョコビッチ選手に敗れ9連覇ならず。しかし全仏は4連覇、通算で8回目の優勝。マドリード、ローマのマスターズも優勝。
昨シーズンは一切大会に出なかった北米ハードコートシーズンはカナダ、シンシナティのマスターズで2週連続優勝、続けて全米も優勝、北米ハードコートシーズンを完全支配。
このシーズンはあまり得意ではなかったツアーファイナルでも決勝まで進出する活躍ぶり。
怪我からの復帰シーズンでしたが、ランキングも1位に返り咲き正に完全復活のシーズンでした。
2014年
タイトル数|4(グランドスラム1、マスターズ1)
獲得賞金|約620万ドル
全仏で5連覇を達成。この偉業は今後超えられる選手が出てくるんでしょうか。
しかしこのシーズンは右手首の怪我で昨年大活躍だった北米ハードコートシーズンを全て欠場。
そのため大きくポイントを失うことになりランキングも3位まで下がってしまいます。
アジアシーズンには戻ってきて怪我からはなんとか復帰。
2015年
タイトル数|3
獲得賞金|約380万ドル
ナダル選手はこの年、2004年以来10年ぶりにマスターズ以上のタイトルを取れないシーズンとなりました。
昨シーズンの手首の怪我の影響もあってか、シーズン序盤からなかなかツアーで上位進出ができず、クレーシーズンになっても大きい大会ではマドリードの準優勝が最高で、5連覇していた全仏でも準々決勝でジョコビッチ選手に敗れてしまいました。
しかしツアー優勝こそ少ないもののなんとかポイントは稼ぎ、このシーズンは5位で終了。
2016年
タイトル数|2(マスターズ1)
獲得賞金|約270万ドル
昨シーズンの不調が少し続いている感じもありましたが、モンテカルロで2年ぶりに優勝。これで通算9回目の優勝。
しかしその後のクレーシーズンでは早期敗退が続き、全仏オープンでは3回戦を前に左手首の怪我により試合を棄権することに。その後ナダル選手はリオオリンピックや全米オープンにも出場しますが、いい結果は出ず。
次のシーズンに備えるためにツアーファイナルを欠場してシーズンを終了。
2017年
タイトル数|2(グランドスラム2、マスターズ2)
獲得賞金|約1200万ドル
左手首の怪我で昨シーズンはいい結果が出ずランキングも9位まで下がっている状態で出場した全豪オープンでナダル選手は完全復活を果たします。優勝こそ逃しましたが、ベストなコンディションで決勝まで勝ち上がっていました。
そしてモンテカルロで2連覇、通算10回目の優勝。全仏オープンでも2014年シーズン以来3年ぶりに優勝。クレーの絶対王者が帰ってきました。
その後全米でも優勝を果たし、2013年シーズン同様、怪我からの完全復活を見事に果たしたシーズンとなりました。
2018年
タイトル数|5(グランドスラム1、マスターズ2)
獲得賞金|約860万ドル
2018年シーズンはケガもあり合計9大会しか出場できませんでしたが、そのうち5大会で優勝。
年間勝率も91%と驚異的な数字を叩き出しています。
クレーでの強さは健在で、ATP500が1つ、マスターズが3つ、全仏オープンと5大会に出場し、マスターズのマドリード以外は全て優勝。
2019年
年間戦績 | 57勝7敗(89%) |
タイトル | 4勝 |
年間獲得賞金 | 約1200万ドル(約13億円) |
主な成績 | |
グランドスラム | 全仏、全米(優勝) 全豪(準優勝) ウィンブルドン(ベスト4) |
マスターズ | ローマ、カナダ(優勝) インディアンウェルズ、モンテカルロ、マドリード、パリ(準優勝) |
ATP500 | バルセロナ(ベスト4) |
特にグランドスラムでの成績が凄まじく、4大会全てでベスト4以上の成績で、そのうち全米と全仏で優勝。
マスターズについても出場した6大会全てで決勝に進出し、そのうちローマとカナダで優勝。
シーズン終盤には1年ぶりにランキング1位にも返り咲き。
2020年
年間戦績 | 27勝7敗(79%) |
タイトル | 2勝 |
年間獲得賞金 | 約300万ドル(約3億2000万円) |
主な成績 | |
グランドスラム | 全仏(優勝) 全豪(ベスト8) |
ツアーファイナル | ベスト4 |
マスターズ | パリ(ベスト4) ローマ(ベスト8) |
ATP500 | アカプルコ(優勝) |
2020年シーズンは新型コロナウイルスの影響で大幅にツアーが中断し、ナダル選手も出場大会はかなり少なく6大会の出場となりました。
大会の延期や日程変更により、難しい状況での大会も多かったですが、それでもシーズン終盤に開催された全仏では優勝を果たし、グランドスラムでは通算20回目の優勝を達成。
これでグランドスラムの最多優勝回数で1位のフェデラー選手と並び1位タイに。
対戦成績
ビッグ4との対戦成績
ビッグ4 | 68勝52敗 | 56% |
ロジャー・フェデラー | 24勝16敗 | 60% |
ノバク・ジョコビッチ | 27勝29敗 | 48% |
アンディ・マレー | 17勝7敗 | 71% |
- ビッグ4同士での対戦ではトータルでは勝率56%と勝ち越し。
- ただジョコビッチ選手に対してだけは少しだけ負け越し
- フェデラー選手、マレー選手との対戦は勝ち越しが多くなっています。
現役のトップ選手との対戦成績
ダニール・メドベージェフ |
3勝1敗 | 75% |
ドミニク・ティエム | 9勝6敗 | 60% |
スタン・ワウリンカ | 19勝3敗 | 86% |
マリン・チリッチ | 7勝2敗 | 78% |
グリゴール・ディミトロフ | 14勝1敗 | 93% |
アレクサンダー・ズベレフ | 5勝2敗 | 71% |
ミロシュ・ラオニッチ | 7勝2敗 | 78% |
ファン・マルティン・デルポトロ | 11勝6敗 | 64% |
錦織圭 | 11勝2敗 | 84% |
ジョー・ウィルフリード・ツォンガ | 10勝4敗 | 71% |
ケビン・アンダーソン | 5勝0敗 | 100% |
ステファノス・チチパス | 6勝2敗 | 75% |
- どのトップ選手に対しても勝ち越しており、平均すると8割以上の勝率になります。
- 特に対戦回数が多くてかつ勝ち越しが多くなっているのはワウリンカ選手、ディミトロフ選手、錦織選手。
- 逆に勝ち越してはいるものの成績が拮抗しているのがティエム選手とデルポトロ選手。
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