ピート・サンプラスは、テニス界においてその名を歴史に刻んだ偉大な選手の一人です。
特に、サンプラスと言えばウィンブルドンでの活躍が際立っています。
今回はなぜサンプラスはグラスコートでこれほどまでに強かったのか、という事について考えていきます。
サンプラスのキャリア概要
グランドスラム14回優勝の偉業
彼はキャリアを通じて、グランドスラム大会で14回の優勝を果たしました。
この14回の優勝は、全豪オープンで2回、ウィンブルドンで7回、全米オープンで5回という内訳で、彼の実力がいかに卓越していたかを物語っています。
サンプラスの14回のグランドスラム優勝は、テニスの歴史において男子歴代4位にランクインしています。
ウィンブルドン選手権での活躍
ウィンブルドンは、ピート・サンプラスが最も輝きを放った大会でした。
7回のウィンブルドン優勝は、男子シングルス歴代2位タイの記録となっており、グラスコートでの彼の強さを象徴しています。
1993年から2000年の間に7度の優勝を果たし、彼のウィンブルドンでのプレーはテニスファンにとって今も記憶に残るものです。
グラスコートにおける彼のサーブ&ボレーのプレースタイルは、芝の特質と絶妙にマッチし、敵なしとも言えるパフォーマンスを見せました。
グラスコートの特徴とサンプラスのプレースタイル
グラスコートの特質
グラスコートはテニスコートの中でも最も歴史のあるサーフェスで、芝で覆われたその特性は独特なプレースタイルを要求します。
まず、バウンドが低く速いことがグラスコートの大きな特徴のため、ボールが地面に接触する時間が短く、スライスやサーブ&ボレーといった攻撃が有効となります。
また、天候や芝の状態によってバウンドが一定でないため、選手には即時の適応力も必要です。
このような条件下では、高い攻撃力と適応力を持つサンプラスのような選手には大きなアドバンテージとなりました。
サーブ&ボレースタイルとの相性
サーブ&ボレーは、強力なサーブで相手を後退させ、速攻でネットへ出てボレーで攻撃を完結させる超攻撃的な戦術です。
グラスコートの特質とこの戦術は非常に相性が良く、ピート・サンプラスのプレースタイルに最適でした。
サンプラスは特に強力なサーブを持ち、アドバンテージを素早く確実に得ることができました。
そして、ネットへの速やかな移動と優れた反射能力を活用し、ボレーで得点を重ねることができました。
このスタイルがグラスコートでの圧倒的な勝率を支えた重要な要素であったことは間違いありません。
これらの要素が組み合わさって、サンプラスは芝の上でその強さを最大限に発揮することができたのです。
グラスコートでのライバルたちとの対戦成績
アガシとの名勝負
ピート・サンプラスとアンドレ・アガシの対戦は、テニス界で最も象徴的なライバル関係の一つとされています。
ですがその最大ライバルであるアガシとの対戦でもグラスコートでは2戦2勝と負け無し。
1999年のウィンブルドン決勝はその代表的な試合であり、サンプラスはアガシを圧倒的なパフォーマンスで破り、7回目のウィンブルドン優勝を果たしました。
他のトップ選手との比較
またサンプラスはアガシ以外の多くのトップ選手に対して、グラスコートでは有利な戦いを展開しました。
ジム・クーリエやパトリック・ラフターに対しては1勝0敗、ボリス・ベッカーに対しては3勝0敗とキャリアハイで1位を記録するトッププレイヤーに対してもグラスコートでは圧倒的な強さを誇っています。
グラスコート全体の戦績も101勝20敗の勝率83%と驚異的です。
彼の全盛期には、他にも数多くの強豪選手たちが彼に挑みましたが、サンプラスの安定したプレーと精神力は彼を特別な存在として際立たせました。
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