2020年から新設された1月の年初に行われる新しい国別対抗戦である「ATPカップ」の賞金やポイントについての情報をまとめていきます。
賞金総額
2020年初開催の賞金総額は$15,000,000(約16億円)
賞金総額1500万ドルというのは男女共催のグランドスラムやツアー大会を除いて男子選手だけのツアー大会の中では最も高い賞金額。
マスターズ大会の賞金総額は多くても900万ドルほど、少ない大会では700万ドルくらいです。
ツアーファイナルも2019年の賞金総額は900万ドルでした。
それを考えるとこの1500万ドルという賞金総額は非常に高いものになっています。
賞金
ATPカップの賞金設定はかなり複雑になっているため、項目ごとに説明していきます。
まず大まかに分けてATPカップでは「大会出場による賞金」、「選手の勝利による賞金」、「チーム勝利による賞金」の3種類の賞金獲得方法があります。
大会出場による賞金
まず大会出場による賞金で、これは大会に出場する事が決まった時点で貰える賞金の事です。
さらにこの出場による賞金は各国のNO.1選手、NO.2選手、NO.3~NO.5選手で賞金額が変わります。
NO.1選手
エントリー順位 | 賞金(ドル) | 賞金(日本円) |
1位~3位 | $250,000 | ¥26,750,000 |
4位~6位 | $225,000 | ¥24,075,000 |
7位~12位 | $200,000 | ¥21,400,000 |
13位~18位 | $150,000 | ¥16,050,000 |
19位~24位 | $75,000 | ¥8,025,000 |
まずは各国NO.1選手の賞金額。
ここでは国のエントリー順位によって賞金額が変化し、エントリー順位が高い国のNO.1選手ほど賞金額が高くなります。
エントリー順位とは言え、そのエントリー順位がシングルスのランキングによって決まるので単純にランキングの高い選手ほど出場して貰える賞金額が多くなります。
つまりエントリー順位1位~3位の国のNO.1選手は大会に出場した時点で25万ドルの賞金をもらえるわけですね。
25万ドルというと日本円でだいたい2600万円くらいですが、ツアーで言うとATP250で優勝するよりも多いくらいの賞金額です。
それだけの金額を出場すれば貰えるわけですから凄いですね。。
NO.2選手
シングルス ランキング |
賞金(ドル) | 賞金(日本円) |
1位~10位 | $200,000 | ¥21,400,000 |
11位~20位 | $150,000 | ¥16,050,000 |
21位~30位 | $75,000 | ¥8,025,000 |
31位~50位 | $60,000 | ¥6,420,000 |
51位~100位 | $45,000 | ¥4,815,000 |
101位~200位 | $30,000 | ¥3,210,000 |
201位~300位 | $20,000 | ¥2,140,000 |
301位~ | $15,000 | ¥1,605,000 |
各国NO.2選手の賞金額。
NO.2の選手はエントリー順位ではなく、通常のシングルスランキングによって賞金額が変わります。
トップ10選手なら2番手で出場しても20万ドルの賞金が貰えます。
NO.3~5選手
シングルス ランキング |
賞金(ドル) | 賞金(日本円) |
1位~100位 | $20,000 | ¥2,140,000 |
101位~300位 | $12,500 | ¥1,337,500 |
301位~ | $7,500 | ¥802,500 |
ダブルス ランキング |
賞金(ドル) | 賞金(日本円) |
1位~20位 | $30,000 | ¥3,210,000 |
21位~50位 | $20,000 | ¥2,140,000 |
51位~100位 | $12,500 | ¥1,337,500 |
101位~150位 | $10,000 | ¥1,070,000 |
151位~ | $7,500 | ¥802,500 |
各国NO.3~5選手の賞金額。
NO.3~5の選手はダブルスのプレイヤーも入ってくるため、ダブルスランキングによる賞金設定も加わっています。
シングルスとダブルスの両方のランキングがある場合はおそらく貰える賞金額が高い方を選べるとは思いますが、詳細は分かりません。
ただダブルスの場合はたとえランキング1位の選手でも3万ドルが最高額のため、シングルスの選手と比べるとかなり少ないようにも感じます。
選手勝利の賞金
次に選手が試合で勝利したときに個人でもらえる賞金額について。
個人の勝利での賞金については対戦するラウンドやラバーによって変わってきます。
【ドル】
シングルス【1】 | シングルス【2】 | ダブルス | |
決勝 | $290,400 | $204,000 | $61,800 |
準決勝 | $151,000 | $106,000 | $32,150 |
準々決勝 | $78,350 | $55,100 | $16,700 |
グループリーグ | $39,400 | $27,600 | $8,375 |
【日本円】
シングルス【1】 | シングルス【2】 | ダブルス | |
決勝 | ¥31,072,800 | ¥21,828,000 | ¥6,612,600 |
準決勝 | ¥16,157,000 | ¥11,342,000 | ¥3,440,050 |
準々決勝 | ¥8,383,450 | ¥5,895,700 | ¥1,786,900 |
グループリーグ | ¥4,215,800 | ¥2,953,200 | ¥896,125 |
こちらの賞金は勝利するごとに貰えるため、例えばグループリーグから全てシングルス1に出場して全勝した場合は個人の勝利だけで7000万円近くの賞金を獲得できます。
これに大会出場による勝利やチームでの勝利の賞金を足すと獲得賞金が1億円を超える選手も出てきそうです。
1億円というとマスターズ優勝クラスの賞金額と同程度。
ただグループリーグでシングルス2に出場し勝利した場合でも300万円弱の賞金が貰えるので、そこまでランキングが高くない選手でもかなりの賞金を手にするチャンスがありますね。
チーム勝利の賞金
チーム勝利での賞金は、個人での賞金と違ってチーム全員が獲得できます。
以下の表の賞金は選手1人あたりの賞金額。
ドル | 日本円 | |
決勝 | $48,760 | ¥5,217,320 |
準決勝 | $29,280 | ¥3,132,960 |
準々決勝 | $17,620 | ¥1,885,340 |
グループリーグ | $9,850 | ¥1,053,950 |
試合に勝利しなかった選手も賞金が貰えるので、ここでもよりランキングの低い選手まで賞金が獲得できるようなシステムになっています。
グループリーグから全勝で優勝した場合はチーム全員が1人につき約1300万円の賞金が貰える計算になります。
1300万円はATP250で優勝したのと同程度の賞金額。
ポイント
ATPカップの獲得ポイントは対戦するラウンドと対戦相手のランキングによって決定されます。
シングルスについては1位~300位までの選手と300位以降の選手で獲得ポイントが変わり、ダブルスについては対戦相手のランキングに関係なく、対戦したラウンドでのみポイントが決定。
またATPカップで獲得したポイントはポイント計算の18大会には含まれず、ツアーファイナルと同様にいわゆるボーナスポイントの扱いになります。
そのためATPカップで勝利すればランキングを上昇させる手助けになる事は間違いないです。
シングルス(1位~300位の選手)
1位~10位 | 11位~25位 | 26位~50位 | 51位~100位 | 100位~ | |
決勝 | 250 | 200 | 150 | 75 | 50 |
準決勝 | 180 | 140 | 105 | 50 | 35 |
準々決勝 | 120 | 100 | 75 | 35 | 25 |
グループリーグ | 75 | 65 | 50 | 25 | 20 |
決勝でトップ10選手に勝利した場合はATP250の優勝と同等のポイント。
獲得できるポイントの最大は750ポイント。
全試合トップ10選手に勝利した場合は上記の表だとこの750ポイントを少し超えてきますが、そこはカットして750が最大になるんでしょうかね。
しかし、グループリーグから全てトップ10選手との対戦というのはあり得ないですし、そもそも最大の750までポイントを獲得できる可能性も相当低いです。
それでもATP250で優勝した場合の250ポイントくらいならかなり多くの選手が実現可能なポイントですし、ランキングが下の方の選手にとっては100ポイント稼げればチャレンジャーでの優勝と同等くらいのポイントになるためかなり大きいです。
シングルス(300位~の選手)
1位~100位 | 101位~ | |
決勝 | 85 | 55 |
準決勝 | 55 | 35 |
準々決勝 | 35 | 25 |
グループリーグ | 25 | 15 |
シングルスのポイントは300位~の選手は獲得ポイントが変わります。
1位~300位までの選手と比べるとかなり獲得できるポイントは低めです。
個人的には正直このルールは無くても良いような気がします。
確かに300以下の選手にとっては先ほどのポイント表だと1勝しただけでかなり大きなポイントが入り、ランキングの急浮上もあり得ます。
ただ300位以上の選手がトップ選手に勝つことは容易ではなく、勝利した場合はそれだけ良いプレーをしたという事なので相応のポイントを獲得しても良いんじゃないかとは思いますね。
ダブルス
決勝 | 85 |
準決勝 | 55 |
準々決勝 | 35 |
グループリーグ | 25 |
ダブルスのポイントについては分かりやすく、対戦ペアのランキングは関係なく対戦ラウンドによって勝利すればポイントを獲得できます。
しかしその分そこまでポイントは多くなく、グループリーグから全勝で優勝しても最大で250ポイントです。
ではATPカップの賞金とポイントについては以上です。
ここまで読んでくださってありがとうございました。
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