テニスの世界にはジュニアのツアー大会もあります。
男子のプロツアーはATP(男子プロテニス協会)、女子のプロツアーはWTA(女子テニス協会)が主に運営しており、ジュニアの大会についてはITF(国際テニス連盟)が運営しています。
ただITFは世界のテニスをまとめる連盟でもあるので、グランドスラム、オリンピックはITFの運営で、男女のプロツアーでも下部大会のITFサーキットや、国別対抗の団体戦であるデビスカップ、フェドカップなど多岐に渡って様々な大会を運営しています。
今回はそのITFが運営しているジュニアの世界テニスツアー大会のグレードやそれぞれのグレードの大会で獲得できるランキングポイントについての情報をまとめていきます。
ジュニア大会のランキングや賞金について
ジュニアのツアーもプロのツアーと同じような仕組みで、獲得したポイントによってランキングが決まりそのランキングで大会のシードやエントリーが決まっていきます。
唯一プロのツアーと大きく違う点がランキングのポイントはシングルス・ダブルスの両方をまとめて集計している事です。
しかしポイントの計算は少し複雑で、ランキングポイントに反映されるのはシングルス・ダブルスで最も多くポイントを稼いだそれぞれ6大会分、つまりシングルス6大会、ダブルス6大会、合計12大会分の獲得ポイントが反映されます。
さらに複雑なルールになりますが、ダブルスについては獲得したポイントの4分の1が反映される形になり、ダブルスで獲得したポイントが占める割合は小さいです。
例を出すとジュニアグランドスラムのダブルスで優勝した場合獲得できるポイントは1人当たり500ポイントですが、ランキングに反映されるポイントは500×1/4で125ポイント分となります。
まとめると「シングルスで獲得したポイントはそのままランキングに反映されるけど、ダブルスで獲得したポイントは4分の1(25%)しか反映されません」と言う事ですね。
またジュニアの大会はプロではないので基本的に賞金は出ません。ただ一部の大会では大会への移動費や宿泊費などを負担する事もあります。
ITFジュニアテニスツアーのグレード
ジュニアの大会には大きく分けて8段階のグレードがあります。
またジュニアの国別対抗戦でもポイントを獲得できます。
ダブルスのポイントはペアではなく1人分です。
グレード |
優勝ポイント |
|
シングルス | ダブルス | |
ジュニアグランドスラム(4大大会) ジュニアオリンピック |
1000 | 750 |
ジュニアマスターズ(ITFジュニアファイナル) | 750 | – |
グレードA | 500 | 375 |
グレード1 | 280 | 210 |
グレード2 | 160 | 120 |
グレード3 | 100 | 75 |
グレード4 | 60 | 45 |
グレード5 | 30 | 25 |
グランドスラム・オリンピック
ジュニアの大会で最もグレードが高いのはグランドスラムとオリンピック。
グランドスラムについては全豪、全仏、ウィンブルドン、全米とプロの大会と同じ時期に同じ場所で開催され、オリンピックは通常のオリンピックと開催場所は違いますが4年に一度の開催という点は同じです。
【ポイントの内訳】
シングルス | ダブルス | |
優勝 | 1000 | 750 |
準優勝 | 600 | 450 |
ベスト4 | 370 | 275 |
ベスト8 | 200 | 150 |
ベスト16 | 100 | 75 |
ベスト32 | 45 | 0 |
ベスト64 | 0 | – |
ジュニアマスターズ(ITFジュニアファイナル)
2番目にグレードが高いのがジュニアマスターズ。
これはマスターズとなっていますが、ジュニアのツアーファイナルの事です。
プロのツアーファイナルと同様にツアー終盤に8人の選手がラウンドロビン(予選リーグ戦)、決勝トーナメントのフォーマットで行う大会です。
ジュニアマスターズはシングルスのみの開催。
【ポイントの内訳】
優勝 | 750 |
準優勝 | 450 |
ベスト4 | 320~220 |
ベスト8 | 165~105 |
グレードA
3番目にグレードが高いのがグレードA。(厳密にはグランドスラムやオリンピックもこのグレードAに入りますが、獲得できるポイントが違うため分けて説明しています)
男子のプロツアーだとマスターズ(ATP1000)、女子のプロツアーだとプレミアマンダトリーのグレードに当たります。
2019年時点では年間6大会開催されており、日本の大阪で開催されている「世界スーパージュニアテニス選手権大会」もこのグレードに位置します。
【ポイントの内訳】
シングルス | ダブルス | |
優勝 | 500 | 375 |
準優勝 | 300 | 225 |
ベスト4 | 185 | 140 |
ベスト8 | 100 | 75 |
ベスト16 | 50 | 35 |
ベスト32 | 20 | 0 |
ベスト64 | 0 | – |
グレード1〜5
グレードA以下がグレード1〜5の大会で数字が小さいほどグレードが高くなります。
ちなみに日本では2019年時点で以下の合計6大会が開催されています。
- グレード2・1大会|名古屋(10月)
- グレード3・1大会|埼玉(1月)
- グレード4・2大会|三木(8月と9月)
- グレード5・2大会|茅ヶ崎(11月)、山梨(11月)
【ポイントの内訳(シングルスのみ)】
優勝 |
準優勝 | ベスト4 | ベスト8 | ベスト16 | ベスト32 | |
グレード1 | 280 | 170 | 100 |
60 | 30 | 15 |
グレード2 | 160 | 95 | 60 | 30 | 15 | 7 |
グレード3 | 100 | 60 | 36 | 20 | 10 | 5 |
グレード4 | 60 | 36 | 18 | 10 | 5 | – |
グレード5 | 30 | 18 | 9 | 5 | 2 | – |
ジュニアのツアーで活躍した選手はプロでも注目の若手となる
ジュニアのツアー大会はテレビでもほとんど中継されないので、ジュニア選手の試合を見る機会はあまりありませんが、ジュニアのツアーで活躍した選手はプロのツアーでも注目の若手としてデビューします。
実際にプロの世界でもトップ選手となった人も多いです。
最近だと2013年のジュニアランキング1位はアレクサンダー・ズベレフ選手ですし、2014年はロシアのアンドレイ・ルブレフ選手、2015年はアメリカのテイラー・フリッツ選手と最近注目の若手がシーズンランキング1位を獲得しています。
またジュニアグランドスラムの歴代優勝者を見ても、ビッグ4ではフェデラー選手やマレー選手、現役のトップ選手だとワウリンカ選手、チリッチ選手、ズベレフ選手などもタイトルを獲得。
近年注目の若手としてよく名を挙げられるカナダのシャポバロフ選手やアリアシム選手、アメリカのオペルカ選手やオーストラリアのポピリン選手らもタイトルを獲得しています。
ジュニアの大会を見ていけば将来有望な選手なども分かってくるので、よりテニス観戦を楽しむならジュニアのツアーにも注目していきたいですね!
ではジュニアの世界テニスツアー大会のグレードやランキングポイントについては以上です。
ここまで読んでくださってありがとうございました!
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