【おすすめ小説】ワイルド・ソウルのあらすじと感想|著者:垣根涼介

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今回紹介するおすすめの小説は「ワイルド・ソウル」です。

この作品は大藪春彦賞、吉川英治文学新人賞、日本推理作家協会賞の三賞を受賞した作品です。

著者:垣根涼介の最高傑作でもあり、推理あり、エンタメあり、感動ありと素晴らしい作品です!

かなりネタバレを含みますのでご注意を!

本の概要

ジャンル ミステリー
サスペンス
著者 垣根涼介
発売年 2003年

主要登場人物

衛藤 戦後の日系ブラジル移民
ケイ 衛藤の友人である野口の息子
松尾 衛藤や野口と同じ集落にいた日本人の子供
山本 衛藤とは違う集落だったが同じ日系ブラジル移民
貴子 テレビ局で働く女性

あらすじ

戦後日本から多くの人間がブラジルへと移民した。表向きはブラジルの未開の地を開墾し広大な土地を手に入れるという希望に満ちたものであった。しかし現実はそうではなく、ブラジルのアマゾンでは開墾なんて到底できるものではなかった。つまりこれは日本の政府によるただの口減しだったのだ。

希望を持ち移民をしてきた人々だったが、実際は病気に苦しみ、アマゾンの苛酷な環境に耐えられず日本とは遠いブラジルのアマゾンの地で人知れず死んでしまう人がたくさんいた。

日系ブラジル移民の中に衛藤という人物がいた。この衛藤も同じように希望を持ちこのブラジルに来たのだが、その希望は打ち砕かれた。そして移民先の集落で妻と弟を失い、何もかも無くしてしまった衛藤はブラジルの地をさまよい続けることになる。

しかしそこでブラジルの人たちの優しさに触れながら次第に人間を取り戻していく。そして衛藤がブラジルに渡ったその日から40数年が経ち、その時の復讐が果たされることになる・・・

感想

物語の序盤はかなりショッキングな内容

この作品の前半部分はかなりショッキングな内容となっています。それと同時にかなり腹立たしくもあります。

日本人がブラジルのアマゾンに身一つで放り出されたら生きていけるわけがないのに、それを平然とやる日本政府に非常に腹が立ちます。

ほとんど詐欺まがいの方法で人を集め、希望を持たせ後はアマゾンの密林に放り込む、とんでもないですね。

日本政府への復讐劇

このワイルドソウルの主となる話が日本政府への復讐です。この復讐劇がかなり面白い展開になっていくんですよね〜

個人的にはケイと松尾のやり取りが結構好きでした 笑

あと何と言っても読んでいて一種の爽快感がありました。こんな事を思うのは良くないかもしれませんが、僕はかなり衛藤たち日系ブラジル移民側に感情移入しながら読んでいましたので、事件を起こすたびに胸がすく思いになりました。

話が何人もの視点で展開していく

この作品の特徴として、一人だけの視点で物語が進んでいかないという点があります。

最初は衛藤の視点で物語は始まっていきますが、その後はケイ、松尾、山本、貴子など様々な登場人物の視点から物語が進んでいきます。

視点がそんなにコロコロ変わっていたら読みづらいと思うかもしれませんが、決してそんなことはありません!

 

そんなに本を読まない僕でもすんなり内容が頭に入ってきたくらいなので視点がかわるということはそこまで気にならないと思います。むしろいろいろな人物の視点から見れて理解が深まっていきますね。

 

読んだ後はかなりさっぱりした気分になれます。本を読んだ後にこう言う気分になれる本は今までそんなになかったので新鮮な感じがしました!

最初の話からしてかなりどんよりした終わり方になるかな〜と思っていたのでそのこともあり余計にいい気分になれたような気がします。

 

ではワイルド・ソウルについては以上です。長編ですが時間のある時に一気に読破してみるといいと思いますよ。

ここまで読んでくださってありがとうございました。